大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和34(オ)377 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士小池金市、同手塚敏夫の上告理由について。

金銭債務については、不可抗力を以て抗弁とすることを得ないことは民法四一九

条二項の明定するところである。従つて況んや無過失を以て抗弁とすることを得な

いことは理の当然であり、賃料債務たる金銭債務についてもその例外をなすもので

はない。しかし、金銭債務であつても、その不払について客観的に正当な事由ある

場合には債務者は遅滞の責に任ずべきではなく、従つてその場合債権者に対し契約

解除権の発生を妨げるものであることは多言を要しないところである。所論はるる

論述するが、要するに所論賃料の不払について上告人は正当の事由があつたもので、

従つて原判示契約の解除権は発生しなかつたものであるという趣旨に帰するものと

解すべきであるが、原判決認定のような事実関係の下では、たとい、上告人におい

て本件土地の所有権が自己に帰していたものと確信していたとしても、所論賃料の

不払について客観的に正当の事由あるものと認め得る程度には到つていないものと

解するを相当とする。従つてこれと同一轍に帰する原判決の判断は正当である。所

論はひつきよう、自己の立場よりする独自の見解に外ならないものであつて、採る

を得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとお

り判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

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裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

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